教員情報
     


  モリ ナオヤ   mori naoya
  森 尚也
   所属   文学部 英語英米文学科
   職種   特任教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2021/09
形態種別 著書
査読 査読あり
招待論文 招待あり
標題 Monadic Clocks in Samuel Beckett's Quad: Decomposing the 'dramatized taboo'
執筆形態 単著
掲載誌名 Beckett and Technology
掲載区分国外
出版社・発行元 Edinburgh University Press
担当区分 責任著者
国際共著 国際共著
著者・共著者 Galina Kiryushina, Einat Adar, Mark Nixon編:Clas Zilliacus(preface) Shane Weller, Feargal Whelan, Dúnlaith Bird, Céline Thobois, Naoya Mori, Pim Verhulst, Lucy Jeffery, Galina Kiryushina, Olga Beloborodova, Jonathan Bignell, Walter Asmus, Thomas Thoelen, Michael D’Arcy, Ruben Borg, Dirk Van Hulle
概要 2018年チェコ、プラハのカレル大学で開催された国際ベケットシンポジウム「ベケットとテクノロジー」選集。ベケット的美学においてテクノロジーが果たす役割を包括的に論じた初めてのもので散文、演劇、映画、ラジオ、テレビにおけるベケットの作品理解をテクノロジーの観点から再構築を試みる論集。
  筆者の"Monadic Clocks in Samuel Beckett's Quad: Decomposing the 'dramatized taboo'"では後期テレビ作品『クワッド』がの演出にあたりベケットが残した謎のメモ「ドラマ化されたタブー」を解読する試みである。正方形の舞台の中心を避ける行為は、小説『マーフィー』において「正方形の辺と対角線のタブー」と言う表現と共鳴しており、『クワッド』はまさに「正方形の辺と対角線」を舞台にして、中心を避けながら歩行し続ける無言劇である。世界の原理を「数」に見いだしたピュタゴラス教団は、自然数で説明できない「無理数」をタブーとした。ベケットは、『マーフィー』で言及したそのタブーをテレビ作品『クワッド』でドラマ化した、というのが筆者の謎解きである。その解明にはピュタゴラスからバークリーやカントに至るまでの思想の系譜をたどる必要があった。