教員情報
     


  モリモト トモミ   morimoto tomomi
  守本 智美
   所属   文学部 教育学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2022/02
形態種別 論文
標題 「よい香りを感じさせる風景画について―想像力を刺激する嗅覚的絵画鑑賞教育への取り組み―」
執筆形態 単著
掲載誌名 神戸女子大学・神戸女子短期大学 教職課程研究
掲載区分国内
出版社・発行元 神戸女子大学教職センター
巻・号・頁 1(1),102-112頁
担当区分 筆頭著者
著者・共著者 守本智美
概要 成人女性180名を対象に、鑑賞者によい香りを感じさせる風景画とはどのようなものか、なぜそのように感じるのか、またその香りの内容と鑑賞方法の効果を分析した。よい香りを感じさせる風景画は、具象画、有彩色の作品、海外作家の作品であり、上位2位までの作家はモネ67名(被験者全体の37.2%)、ゴッホ31名(被験者全体の17.2%)であった。モネの作品は、「ヴェトゥイユのモネの庭」、ゴッホの作品は「ローヌ川の星月夜」が一番選択者が多かった。モネの作品には花が多く描き込まれており、自然の中の花の香りを、ゴッホの作品では黄色い円形のもの、すなわち星や太陽が天上の花であり、ひまわりは地上の花であり、ゴッホの作品から感じられる香りとしては食べ物の香り、夏の香りを被験者は感じていた。よい香りを感じさせるには風景画に花が描かれていることが必要であることが明らかになった。また、香りを意識して風景画を見るという嗅覚的な部分を用いた鑑賞方法はより想像力が刺激され絵画の魅力を楽しむことができ、発想力を増すことができた。香りを意識しながらの絵画鑑賞の教育は、想像力を刺激し豊かな心を持った人間を育てる情操教育にふさわしいと言える。