教員情報
     


  ニシデ ヨシオ   NISHIDE YOSHIO
  西出 良郎
   所属   文学部 英語英米文学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2007/03
形態種別 著書
標題 シェイクスピア・コングリーヴ・ワイルド
執筆形態 共著
掲載区分国内
出版社・発行元 英光社
巻・号・頁 135-148頁
担当範囲 第8章「ガートルード表象と男性の脆さ」
著者・共著者 編著者 丸橋良雄
著者 丸橋良雄、西出良郎、他8名
概要 T. S. エリオットは、母ガートルードへのハムレットの感情をこの劇の中心に据え、主人公の激しい怒りに見合うだけの「客観的相関物」が示されていないのでこの劇は失敗作だとした。しかし、エリオットが読んだ『ハムレット』は、第2クォート版と第1フォリオ版を折衷した現代のテクストであり、そこではガートルードの「罪」が意図的に曖昧化されていた。本論では、第1クォート版で明示されていた夫の生前からの義弟との姦通という罪が、第2クォート版と第1フォリオ版では意図的に曖昧な表現に書き換えられたことにより、第1クォートに示された、悔い改めた女としての表象が、第2クォートでは、最後まで罪を抱えた女の表象へと変質したことを論じ、罪の「曖昧化」がかえってハムレットや父ハムレットの亡霊のせりふに顕著な、家父長制社会の抱える女性不信を際立たせていると主張する。