教員情報
     


  モリ ナオヤ   mori naoya
  森 尚也
   所属   文学部 英語英米文学科
   職種   特任教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 1999/03
形態種別 研究紀要
標題 “Beckett and Modern Thought”
執筆形態 単著
掲載誌名 岡山大学大学院文化科学研究科紀要
出版社・発行元 岡山大学大学院文化科学研究科
巻・号・頁 (6),1-24頁
著者・共著者 Naoya Mori
概要 経験論を主張するジョン・ロックはスコラの命題「感覚ノ内ニナカッタモノハ知性ノ内ニハ何モナイ」を支持するが、生得観念を主張するライプニッツは、この命題に但し書きを3語加えて、その足下をすくった。「感覚ノ内ニナカッタモノハ知性ノ内ニハ何モナイ」nisi intellectu ipse.(知性ソレ自身ハノゾイテ)としたのである。興味深いことに、ベケットはライプニッツのロックへの反論をノートにメモしており、先の命題を『マロウンは死ぬ』では鳥籠のオウムにラテン語で覚えさせようとするのである。これはほんの一例であるが、ベケット作品にはヴィンデルバントの哲学史からの引用、応用が頻出する。単なる引用にとどまらず、それが創作のインスピレーションとしても使われるのである。