教員情報
     


  ナガフチ トモエ   nagafuchi tomoe
  永渕 朋枝
   所属   文学部 日本語日本文学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2009/11
形態種別 論文
査読 査読あり
標題 明治の子殺し ――北村透谷「鬼心非鬼心」における〈社会〉と〈魔〉――
執筆形態 単著
掲載誌名 日本近代文学
出版社・発行元 日本近代文学会
巻・号・頁 第81集,1-17頁
概要 透谷「鬼心非鬼心」の特徴を、新聞報道にみる当時の子殺し事件、民友社や下層社会の記録文学、柳田国男「山の人生」との比較等から明らかにする。「鬼心非鬼心」は、社会が貧困をつくるのみならず、人を「狂乱」に追い込み、人間を衝き動かす〈魔〉をつくり出すことまでを「社会の罪」と主張する。自由民権運動に参加した透谷は、貧富の差による貧民の怨恨が〈魔〉を醸し出すと捉え、政治小説の訳や日本文学の〈魔〉の伝統から、〈社会〉と結びついた〈魔〉という考えを培ったのである。