教員情報 | |
ニシデ ヨシオ
NISHIDE YOSHIO 西出 良郎 所属 文学部 英語英米文学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2013/11 |
形態種別 | 論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | ローマ史劇の方法―『ジュリアス・シーザー』と『セジェイナス』 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | アルビオン |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (59号),24-34頁 |
概要 | 16世紀末の劇壇では、ローマ史劇ブームが起こったが、ライバル劇作家シェイクスピアとジョンソンは、それぞれプルタルコス、タキトゥスを材源とし、対照的な歴史劇を作った。プルタルコスの歴史観にもとづく『ジュリアス・シーザー』は、歴史を決定づける要因に、人物の自由意志や偶然の働く余地を認めるのに対して、タキトゥスの歴史観にもとづく『セジェイナス』では、歴史は一人の絶対権力者が意図するとおりに動き、皇帝以外の人物は思想や行動の自由を奪われている。『ジュリアス・シーザー』が商業的成功を収めたのに対して、『セジェイナス』が不評のうちに上演を打ち切られたのは、タキトゥスの描くローマ帝政初期の政治状況が、悲劇の題材としてふさわしくなかったからだと考えられるが、あえてタキトゥスを源材としたジョンソンの主眼は、セジェイナスやその犠牲者たち個人でなく、帝政ローマの統治メカニズムに押しつぶされるローマ人全体の悲劇を描き出すことだったと論じる。 |
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